知らないと恥をかく一般常識の壁

交通事故の基本!示談交渉の方法と注意点は?


『 はじめての示談!確認すべき注意点を把握してみよう 』


交通事故に遭うと必ず行わなければならないのが


示談


です。

私も事故に巻き込まれて大変な思いをしました。

最初は複雑すぎて全くわからず戸惑いましたが、今回は、その際に学んだことを わかりやすくまとめました。

少し長いですが、最期まで読んでいただければポイントを押さえられると思います。

交通事故で辛い思いをされた方が、示談で更に嫌な思いをしないで済むように役に立ててもらえたら幸いです。( 最終更新:2015年1月 )


示談ってなに?


示談とは、交通事故などが発生したときに、当事者同士 ( 加害者と被害者の両方 ) が話し合いをして、「 損害賠償額 」 や 「 支払方法 」 などの内容を決めて解決を行うこと です。

まず、示談では 加害者 が 被害者 に対して損害賠償金の支払を約束します。( 加害者に請求できる 損害賠償 と 損害賠償額 は?

そして、被害者が そのお金を受け取ることで、


「 これ以上の損害賠償を 加害者に一切請求しません 」


という約束をします。つまり、


「 この金額で全て忘れましょう 」


という契約を行なうわけです。これが示談ですね。


示談交渉は自分でするの?


示談交渉は自分で行っても構いません。

ですが、あなたが自動車保険に加入している場合は、あなたの代わりに保険会社の担当者が行なってくれます。これはあなたが被害者の立場でも加害者の立場でも同じですね。

しかし、注意しなければならないのは、加害者側に全過失がある事故では被害者側の保険会社は交渉できません。たとえば、あなたの車が停車しているときに、一方的にぶつけられてあなたに過失がないようなケースですね。この場合は、あなた自身が加害者やその保険会社と交渉をするか、弁護士などの専門家にお願いして話を進めることになります。( この記事では、このケースについて説明します。)


そして、この話し合いによって賠償額などが決定されるわけですが、とても重要な話し合いなので慎重に行わなければなりません。ちなみに、話し合いでまとまった内容を記した書類のことを


示談書


と言いますが、治療が終わっていないのに示談書に捺印してしまうと、後々困ることになるので注意しましょう。( 記事の下で詳しく説明します。 )


示談金は勝手に決めることができるの?


できます。

お互いが話し合いをして納得すれば、民法の 和解契約 ( 民法 695 ~ 696 条 ) に当たるので、示談金 ( 損害賠償金 ) の額は自由に決めることができます。だからこそ注意しなければなりません。

もし、本来受け取ることができる額よりも低い額を提示されているのに、被害者が無知で安易に示談書に捺印してしまうと、その額しかもらえなくなってしまいます。

つまり、泣き寝入りすることにもなりかねないので注意する必要があるわけです。 ( 対策方法は記事の下で説明します。 )


示談書は法的効力はあるの?


示談書には法的効力はあります。

しかし、注意しなければならないのは次のようなケースです。

たとえば、加害者が無保険であったり、自動車保険に加入していても治療費が補償額の上限を超えてしまった場合などは、全額または残りの額を加害者本人が賠償しなければなりません。

もし、加害者が損害賠償金を払ってくれないといった場合は、示談書をもとに相手の資産を差し押さえなければなりませんが、この場合は裁判を起こす必要があります。

これだと大変なので、このような場合は示談書ではなく、裁判を起こさずに資産を差し押さえられるような 公正証書 で作成しておくと安心だと思います。( これについても記事の下で説明します。 )


示談はいつから始ればいいの?


被害者が亡くなった場合は、いつ始めても問題ありません。


一方、傷害事故の場合は慎重に始める必要があります。なぜなら、治療が終わっていないのに示談書に捺印してしまうと治療費を払ってもらえなくなることがあるからです。

先ほど説明しましたが、示談書は 「 このお金で全て忘れましょう 」 という意味の書類なので、示談をしてしまうと治療費を打ち切られても文句が言えません。

ですから示談書に捺印するのは、治療が終わって、後遺障害等級の認定なども済んだ後に始めるのが最善だと思います。


ただし、治療が長引く場合は 損害賠償権の時効 に注意しなければなりません。食べ物に賞味期限があるように、損害賠償にも期限があります。この時効期限は以下のようになっています。


  • 自賠責保険の損害賠償請求権 : 2 年
  • 民法の損害賠償請求権 : 3 年
    ( ※ 詳しくは下で説明します。 )


この期限に注意して損害賠償請求を行うようにしましょう。


なぜ保険会社や加害者は示談を急がせるの?


一般的に、加害者や加害者側の保険会社は示談を急かしてくることが多いです。

このとき彼らはこのようなことを言ってきます。


  • 「 私(加害者)も深く反省してます。もう示談にしましょう。 」
  • 「 あなたもいつまでも問題を抱えていたら大変でしょう。示談にして早く終わりにしましょう。 」


交通事故で大怪我をして、身体のことや、今後の仕事や生活のことが不安で不安で仕方がない日々を送り、精神的にも参っている状況でこのようなことを言われると、あなたは相手の言葉に優しさと思いやりを感じると思います。


  • 「 なんて優しくて良い人なんだ… 」
  • 「 そうだ、もう終わりにしよう! 」


と思うかもしれません。

何も分かっていないあなたは、その言葉を受け入れて治療も終わっていないのに 示談書 に捺印してしまいます。

しかし、これは大きな間違いです。


加害者側が示談を急かすのには理由があります。( 世の中そんなに甘くはないんです。 )

相手が示談を急ぐ理由の一つに、刑事責任に問われていることが挙げられます。事故を起こした加害者は、いろいろな法律上の責任を負う事になります。その一つが、刑事責任 です。

もし、示談が成立していれば この刑が軽くなることがあります。検察で取り調べを受ける段階で示談が成立していれば起訴猶予、あるいは 略式罰金 で妨げるケースもありますし、裁判の段階で示談が成立していたら 情状酌量 されて 執行猶予 が付きます。また、早く示談が成立すれば払わなければならない費用も少なくて済みます。

加害者側は、こうした点も考慮して誠意のあるような態度を見せることで示談を迫ってくることがあります。あなたのことを心配しているわけでも、優しさから出た言葉でもありません。

そもそも心配するような優しさがあるのであれば、時間がかかってもしっかりと治療を受けさせて怪我を治してもらい、これまでの生活にできるだけ近い形にまで戻れるような対応をとるはずです。でも急かしてくるのであればそうではない…。

ここが交通事故の嫌なところです。人間不信に陥ります。

しかし、これが交通事故の戦いなので負けてはいけません。あなたがすべきことは、あなた自身の利益を考え、情に流されず、冷静に対処することだと思います。


示談に時効はあるの?


あります。

先ほども説明しましたが、治療が長引いているときは時効に注意しなければなりません。


民法では、被害者側からの損害賠償請求権は、事故日から起算して 3 年 で時効になります ( 民法 724 条 )。

つまり、相手に損害賠償を請求するのであれば、事故のあった日から 3 年以内に行う必要があるわけです。( ※ひき逃げされて加害者がわからない場合は 20 年 です。 )


また、自賠責保険の保険金請求権は、原則として 事故の翌日から 2 年 で時効になります。

つまり、もしあなたが自賠責保険に対して保険金を請求するのであれば、事故の翌日から 2 年以内 に請求しなければならないということですね。


ただし、これらの時効の起算日は、


  1. 後遺障害に対する部分
  2. 怪我に対する部分
  3. 死亡した場合


によって違うので注意しましょう。

以下に それぞれの違いを簡単に説明します。


1.後遺障害に対する部分


腕が動かないとか、足が動かないなどの後遺障害が残った場合は、症状固定日 の翌日が起算日となります。症状固定日というのは、これ以上治療しても症状の改善が見込めないと診断された日のことです。もし、事故の起きた日から 6 ヶ月後に症状固定となった場合は、その日を起点とします。


2.怪我に対する部分


骨折したなどの怪我に対する部分については、事故が起きた日を起点として日数を数えることになります。そのため、治療期間が長引いたときは交渉期間は短くなってしまうので注意しましょう。交渉時間が足りない場合は、時効の中断 をしておくと安心です。( 下で詳しく説明します。 )


3.死亡した場合


死亡した場合は、死亡日の翌日を起点として日数を数えます。


時効の中断をするには どうしたらいいの?


示談交渉が難航して時効になりそうな時は、以下の 2 つの方法で時効の中断を行います。


  1. 加害者に念書を書かせて治療費を払ってもらう
  2. 「 時効中断承認申請書 」 を保険会社に提出する


それでは、ひとつずつ見ていきましょう。


1.加害者に念書を書かせて治療費を払ってもらう


まず、加害者に対して 「 今後の補償をきちんとやります 」 という 念書 を書いてもらいます。

次に、治療費の一部を加害者に払ってもらいます。こうすることで加害者は 支払い義務があると認めている ことになりますから、その時点から時効のやり直しが出来ます。

ただし、なかには念書を書いてくれなかったり、支払いに応じてくれない加害者もいます。

こういう場合は、内容証明郵便 を使った請求手続きをとります。つまり、「 私は、あなたにいくら請求します 」 という旨の文章を送って行為を要求するわけですね。

ちなみに内容証明郵便を使うのは、相手が催促に応じなくて訴訟になった際に、その 不誠意を証明する証拠 になるからです。

注意しなければならないのは、この請求方法は 6 ヶ月以内に裁判上の請求手続きを取らないと時効中断の効力が無くなってしまうという点です。ですので、弁護士と打ち合わせをしてから準備することをお勧めします。


2.「 時効中断承認申請書 」 を保険会社に提出する


自賠責保険の時効については、自賠責保険会社に 時効中断承認申請書 というものがあるので、これを自賠責の保険会社に提出します。これで簡単に中断できます。


時効が過ぎても加害者に請求できるの?


できる場合もあります。

時効の期限を過ぎた後に、加害者本人が 「 消滅時効の援用 を受けます ( 時効の利益をうける ) 」 ということを、被害者側に 内容証明郵便 などで伝えなければ賠償責任は消滅しません。 ( 民法 145 条 )

そのため、加害者が 「 消滅時効の援用 」 を行っていない場合は、加害者に賠償責任を承認させて消滅時効の援用を出来ないようにしておくと良いかもしれません。

つまり、先ほど説明したように、治療費の一部を支払ってもらったり念書をもらえれば時効の阻止や中断ができます。


示談が成立すると後で変更できないの?


特別な事情がなければ変更や取り消しはできません。

ですので、繰り返しになりますが 示談は慎重に行う 必要があります。

先ほど、加害者は自己の利益を守るために示談を迫ることが多いと説明しましたが、この逆もあります。つまり、被害者本人が経済的に困っていることを理由に慌てて示談をしてしまうケースです。これも間違った対応です。


大切なのは、被害者が十分な治療を受けて、これまでの生活に復帰するという点です。

どこまで治療するかは、担当医の専門的な判断のもとで行われるべきです。素人がやるべきことではありません。

また、補償についても全ての治療が終わった後で、加害者側と十分に話し合った上で納得のいく内容で示談をするべきです。


もしかしたら、加害者側の保険会社は 「 もう治療を始めて 3 ヶ月にもなりますが… 」 といったことを言ってくるかもしれません。でも、それは加害者側の都合です。

事故後に 3 ヶ月経過していようが 4 ヶ月経過していようが、治癒していなければ医者は治療の必要があると判断します。

医者がそう判断しているのにも関わらず、加害者側の保険会社が治療の打切り ( 症状固定 ) を迫って来る行為には疑義の念を抱かざるを得ません。

あなたが何も知らなければ、このように言われたときになぜか、自分が早く治らないことの罪悪感に悩まされるかもしれません。

なかには気持ちが折れて示談してしまう人もいると思います。あるいは一方的に治療費を打ち切られて、焦って示談をしてしまうかもしれません。

しかし、先程も書きましたが、治療の必要性は医学的根拠に基づいた判断によって行われるべき で、医師の判断を無視した形での治療の中断はすべきではありません。

私も保険会社から同様のことを言われ、その後勝手に治療費を打ち切られたのですが、医師はこの点について私に話してくれました。


大切なのは、医者が治療の必要があると判断している限り、保険会社が何と言おうが治療は継続すべきです。

ましてや後遺障害が出るかもしれないと思うときは、時間がかかっても 後遺障害等級 が確定するまでは示談をするべきではないと思います。

不安なときは、交通事故相談窓口で相談してみてください。( 全国無料相談窓口一覧表


示談書に種類はあるの?


同じ示談書でも名称が異なっていることがあります。

たとえば、加害者側に 100 % 過失があると判断される物損事故や、保険会社が直接被害者と示談をする場合は、 「 示談書 」 ではなく 免責証書 ( 損害賠償に関する承諾書 ) というものが使われることがあります。

保険会社によって呼び方が違うことはありますが同じ意味です。


示談書に必ず記載すべきことは?


示談書の形式に決まりはありませんが、下の内容は必ず記載しましょう。


  • 事故発生日時・事故発生場所

  • 車両所有者の 氏名 ・ 運転者の氏名 ・ 車両番号
    名前は 「 甲が○○ 」、「 乙が○○ 」 と書きます。一般的に過失割合の高い方が甲欄に記載します。

  • 事故状況・内容
    例: 「 甲の脇見運転により、乙の停止していた車両に後方から追突した 」 といった書き方をします。

  • 示談内容・支払方法
    これは示談内容を示すものなので、「 誰が誰に対して 」 「 損害賠償金として 」 「 いくら 」 「 どこに、どのように支払う 」 のかをはっきり記載します。

  • 示談書の作成日

  • 当事者双方の署名・捺印
    車両の持ち主と運転していた人が違うときは、両方の署名と捺印が必要です。当事者が複数の場合は、全員のサインと捺印をもらいましょう。

    会社が関係しているときは、会社の ゴム印 と 社印 ももらいます。相手が未成年者の場合は、両親が サイン と 捺印 をします。

    記入を間違えたときには横線 ( = ) を引いて訂正します。その際、示談書に使用する印鑑と同一の印鑑で、当事者双方の訂正印が必要なので注意してください。


保険会社が間に入らないケースでも、相談すれば書式サンプルをもらえると思います。

心配な方は、弁護士 や 行政書士 などの専門家に依頼しましょう。


上記以外に注意すべきことは?


この他に注意すべきことは、


  1. 権利放棄条項
  2. 権利留保条項


を確認して記載するという点です。

どういったものなのかを以下に簡単にまとめます。


「 権利放棄条項 」 ってなに?


示談書には、「 今後、この件については一切請求しません 」 という 権利放棄条項 を記載するのが一般的です。


「 権利留保条項 」 ってなに?


今はわからないけど、あとで後遺障害が残るかもしれないといった場合は、今後のために 「 もし今後、後遺障害が生じたときは改めて協議する 」 という 権利留保条項 を示談書の中に入れておくようにします。将来的な可能性もきちんと考慮して、全ての損害を把握した上での示談なのかを必ず確認するようにしましょう。ちなみに、ここでいう後遺障害とは、「 示談当時予見できなかった後遺障害 」 を指します。

ちなみに、最高裁は、


「 交通事故による全損害を正確に把握しがたい状況の下において、早急に、少額の賠償金をもって示談がなされた場合おいては、右示談によって被害者が放棄した損害賠償請求権は、示談当時予想していた損害についてのみと解すべきであって、その当時予想できなかった後遺症等については、被害者は、後日その損害の賠償を請求することができる 」( 最高裁 昭和43年3月15日 )



としています。


加害者が未成年の場合は?


示談の相手が 未成年者 の場合は、法律上の行為能力者ではないので示談ができません。仮に示談をしても無効であると取り消される可能性があります。

このような場合は、加害者本人の 親権者 や 後見人 と示談をするようにします。

未成年の親権者と示談を締結する際は、親権者全て ( 通常は父母の両方 ) の記名と捺印が必要なので注意しましょう。


示談内容を確実に履行させるには?


損害賠償金は、示談が成立したときに全額を受け取れるのが一番です。

しかし、場合によっては 後日払い や 分割払い になってしまうこともあります。

この場合は示談内容を確実に実行してもらう必要があるのですが、どうしても不安が残ります。

そこで、示談がまとまった際に、以下のような措置を取っておくと良いかもしれません。


  1. 違約条項を入れる
  2. 違約金条項を入れる
  3. 連帯保証人をつけさせる
  4. 裁判なしで強制執行できるようにする


それでは、一つずつ見てきましょう。


1.違約条項を入れる


示談書の中に、


  • 「 約束を守らなかったら日割り計算で加算金をとる 」
  • 「 1 回 でも支払いを怠ったら残額は一時払いにする 」


といった 過怠約款 ( かたいやっかん ) という違約条項を入れておきます。


2.違約金条項を入れる


同じく示談書の中に


  • 「 1 回でも支払いを怠った時は、違約金 ○○ 万円を、示談金 ○○ 万円に付加して支払う 」


という内容を入れておくようにします。違約金は、示談金の 20 % 程度が妥当のようです。


3.連帯保証人をつけさせる


相手の親族や知人などで、資力がある人を連帯保証人として付けさせます。こうすることで万一の時も確実に賠償金を受け取れるようにしておきます。


4.裁判をしなくても強制執行ができるようにしておく


これを可能にするには、以下の 2 つの方法があります。


  • 即決和解
  • 公正証書


即決和解では、相手方の住所を管轄する簡易裁判所に和解を申し立てて、和解調書を作ってもらいます。手続きも簡単で費用も安くで済むので便利な方法です。


一方、公正証書は、当事者双方で公証人役場に行き、公正証書を作ってもらいます。

公正証書には、「 債務不履行のときは、すぐ強制執行を受けても異議はない 」 という 強制執行認諾条項 を入れておきます。

ちなみに通常の示談書は、私製証書 」 「 私署証書 と呼ばれる 私文書 です。

そのため、相手が約束を守らなかったときに、すぐ相手方の財産を差し押さえるといった強制執行の力はありません。

ですから、示談書を証拠書類として裁判を起こし、判決 ( 和解調書 や 調停証書 でも可 ) を貰ってからでないと、相手の財産を差し押さえることが出来ないわけです。


しかし、示談書を 公正証書 にしておくことで、約束が守られない場合は裁判をせずに、直ちに相手方の財産を競売することができ、執行力を持たせることができます。

特に、相手が無保険の場合は、回収できないリスクも大きくなりますから、示談書を公正証書にしておくと手間が省けて安心です。

これをしておけば、財産の没収、資産の競売、給料の差し押さえなどを、裁判をせずに実行出来るようになります。

ちなみに任意保険に加入していないときのリスクについては、




でまとめましたので、こちらを参考にしてください。

公正証書は重要な書類になるので、作成する際は専門家に依頼すると安心だと思います。


示談の話がまとまらない場合は?


加害者や相手方の保険会社との話し合いがこじれて、なかなか賠償に応じてくれない時は、専門家 ( 弁護士 ) に相談すると良いかもしれません。

これは実際に私が加害者側の保険会社と示談交渉をして感じたことなのですが、こうした仕事を生業としているプロと対等に交渉するのは とても大変です。

実際にやってみてわかったことは、素人ではどうしても越えられない壁があるということです。

ですので、自分で行なうよりも、最初から 弁護士 に頼んだ方が示談の金額も上がりますし、余計な不安やストレスを抱えることもないと思います。


ちなみに、越えられない壁というのは 損害賠償の基準 です。

損害賠償には 3 つの基準があって、


  1. 自賠責基準
  2. 任意保険基準
  3. 裁判基準 ( 弁護士基準 )


と分かれています。


  • あなた自身が交渉する場合は 「 自賠責基準 」 になります。
  • 保険会社同士が交渉したら 「 任意保険基準 」 、
  • 弁護士が交渉したら 「 裁判基準 」 になります。


そして、自賠責基準 と 裁判基準 の金額の違いを、一番軽いとされる 後遺障害 14 級で比較すると下のようになります。


  • 自賠責基準 : 320,000 円
  • 裁判基準 : 1,100,000 円


実際には これだけ差があります。

これを知ったあなたは裁判基準で示談をしたいと思うかもしれません。

でも、どんなに勉強して、どんなに法的攻防能力を付けても、「 弁護士に依頼します 」 と言わない限り、加害者の保険会社は裁判基準にはしてくれません。

なぜなら、裁判などの強制力を伴う手続きを取らない限り、法的に正しい賠償を任意に行う義務は保険会社にはないから です。

ですので、弁護士 に委任して 裁判解決を前提とした対応 を取って、はじめて保険会社も 「 裁判基準 」 での金額を考慮してくれます。

別の言い方をすれば、裁判を前提としない限り、相手は 裁判基準 は考慮してくれません。( 保険会社の担当者同士の交渉でも 任意保険基準 ですし。 )

そのため、正当な賠償額の話し合いを行うためには、 弁護士 に委任することが必要不可欠だということがわかると思います。

ちなみに裁判と言っても、「 裁判を前提とする 」 のであって、実際に裁判をすることは多くないようです。

毎年、膨大な数の交通事故が起きているので、過去の判例をもとに大体こんな判決になるということがわかります。弁護士さんはこれをもとに


「 裁判をするとこんな感じになりますよ。実際に争うとこれくらい費用が掛かりますよ。だったら、この費用を賠償金として支払った方が良いのでは? 」


といった具合に相手の保険会社と交渉をしてくれます。ほとんどの場合は、これで話がまとまって終わるようです。ですので、「 裁判を前提とする 」 というのがポイントになります。

実際に私も弁護士に依頼をしましたが、裁判をすることなくスムーズに和解が成立しました。事故に巻き込まれたときは、いろいろと調べて自分で対処しようと試みましたが、やはり一人で悩むよりも、まずは 弁護士 に一度相談されるのが一番いいと思います。

特に、治療しても 「 しびれ 」 や 「 痛み 」 などが取れないという人や、後遺障害 が残るかもしれないという人は尚更です。

一度、示談が成立してしまうと、後で痛みが出ても請求することはできません。ですので、まずは弁護士に相談をして、今後どのように進めるべきかを専門家の意見を聞いたうえで考慮することが大切だと思います。(※ あなたの代わりに、あなたが加入している保険会社が交渉をしてくれるときは、弁護士に頼む必要はないと思います。このあたりは加入されている保険会社へ確認されてみてください。 )


ただし、ここで注意しなければならないのは、一口に弁護士と言っても、さまざまな専門分野に分かれているという点です。

たとえば、あなたの目が充血して病院で診てもらいたいのであれば、内科と眼科のどちらに行くでしょう。

恐らく多くの人は眼科と答えると思います。なぜなら、眼に異常があるわけですから、同じ医者でも内科医より眼科医に診てもらう方が最適だからです。

同様に、弁護士も専門分野が分かれていることが多く見られます。交通事故に関する法律相談をするのであれば、交通事故問題の解決に詳しい弁護士へ相談した方が最適なアドバイスを得やすくなります。( 法律相談の基本!弁護士の探し方と選び方の注意点は?

それと、あなたの過失割合がゼロといった場合は、あなたが自動車保険に加入していても保険会社は交渉できません。もし行った場合は非弁行為になってしまうからです。この場合は弁護士を頼むことになるかもしれませんが、あなたが加入している自動車保険に 弁護士費用特約 が付いていると、弁護士費用を保険会社に負担してもらえることがあります。弁護士費用特約については、




を参照してください。


長かったですが、示談についてはこんな感じです。お疲れ様でした。

交通事故までの解決は大変な労力と時間を要します。怪我をされた場合は、肉体的・精神的にもとても辛いと思います。

でも、困難な状況に負けずに前に進むことが大切です。諦めたらそこで終わってしまいます。

逆の見方をすれば、問題解決に取り組めるのは今しかないわけですから、悔いのないようにきちんと対処していくことが精神衛生上一番いいことなのだと思います。少なからず私はそうでした。

それと、常に冷静に対処しましょう。怒鳴ったりしても意味はありません。私は笑顔で接しました。 ( 知識があると強いです )

解決するまで大変だとは思いますが、諦めずに今できることから始めてみてみると良いかもしれません。

一日も早い回復をお祈りします。

ちなみに事故車を修理すべきか、廃車にすべきか、あるいは買い取ってもらって新車購入の費用に充てるかの判断については、




の記事でまとめましたので、こちらを参考にしてください。


交通事故で賢く対処するために



保険について理解する



事故車の対処について



専門家へ相談する前に






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プロフィール

rino

Author:rino
あなたには損をしないための最低限の知識がありますか?私は、勉強不足や経験不足から失敗したり、損をしたり、恥ずかしい思いをしたりしたことが多々あります。苦い経験を振り返ってみて気付いたことは、少しでも学んでおけばそうした経験は避けられたというシンプルなものでした。このブログでは、普段の生活の中で損をしないための情報を、できるだけわかりやすく紹介してみたいと思います。同じようなことで悩んでいる方がいらしたら、参考にしていただければ幸いです。

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