交通事故の基本!請求できる損害賠償と損害賠償額は?


『 加害者に何を請求できるのか把握してみよう 』


私が交通事故に巻き込まれたときに、加害者に請求できる損害賠償について調べてまとめたものです。

もし、あなたが人身事故の被害者になってしまったら、加害者に対してどのような請求ができると思いますか?

知らなければ請求もできませんし、請求しなければ相手は払ってはくれないので、この機会にしっかりと把握しておくと良いかもしれません。


そこで今回は、加害者に請求できる 損害賠償 と 損害賠償額 についてまとめます。

少し長いですが、最後まで読んでいただければ一通り理解できると思います。それでは、早速見ていきましょう。( 最終更新:2015年1月 )


人身事故ってなに?


人身事故とは、人が怪我をした事故のこと です。


人身事故では損害賠償はできるの?


できます。

もしあなたが人身事故の被害者になった場合、


  • 自動車損害賠償保障法 3 条
  • 民法 709 条 の不法行為


に基づいて、加害者に対して 損害賠償請求 をすることができます。

では、具体的にどのような損害賠償を請求できるのかを見ていきましょう。


人身事故の被害者は、どんな損害賠償を請求できるの?


人身事故に遭った際に、被害者 が 加害者 へ請求できる損害は、大きく以下の 4 つに分かれます。


  1. 積極損害 ( 治療費など )
  2. 消極損害 ( 仕事を休んだ分の損害 )
  3. 慰謝料 ( 精神的・肉体的苦痛に対する損害 )
  4. 物損 ( 壊された物に対する損害 )


この 4 つの損害を合計したものが、加害者へ請求する 「 損害賠償請求の金額 」 となります。

それでは、一つずつ詳しく説明します。


1.積極損害ってなに?


交通事故で怪我をすると、病院で治療を受けたり、場合によっては入院をすることになりますが、その際に 被害者が支払った費用や、今後 支払うことになる費用のこと を 積極損害 と言います。

たとえば、以下のようなものですね。


  • 診察費用 ・ 治療費用 ・ リハビリ費用
  • 手術費用 ・ 入院費用 ・ 入院雑費用
  • 付添看護料 ・ 介護費用
  • 通院交通費 ・ 通勤交通費
  • 葬儀費用


また、医師の指示があった場合に限り、以下の費用についても認められます。


  • 針灸 ・ マッサージ ・ あんま費用
  • 形成治療費
  • 温泉治療費 ( 医療機関付属施設のみ )
  • 義足 や 車椅子 など治療器具の購入費


といったものがあります。

これらの費用を既に支払った、あるいは今後支払うことが確実であるといった場合に請求することができます。


基本的に請求出来るものは決まっていますが、何が請求できるのかは専門家でなければわからないことが多いです。

そのため、専門家に相談するまでは 「 事故に遭わなければ支払う必要のなかった費用は全額請求する 」 というつもりでいたら、請求漏れもないと思いますよ。

たとえば、上記のもの以外にも、車椅子の生活を強いられることになったことで、家の玄関・お風呂場・トイレなどを改装する必要が出てくれば、これらの費用も請求できることもあります。

また、家族を養っている身で、交通事故により子供の学費が払えなくなった場合は、その費用なども請求できるケースもあります。

つまり、交通事故の被害によって発生した費用であれば、怪我の治療費以外のものでも請求が認められることもあるわけです。

ですから、とりあえず 領収書 などは示談が成立するまで必ず保存しておく ようにしましょう。全てが認められることは難しいかもしれませんが、交渉の余地はあると思います。( ※怪我の度合いや、家庭の事情などを総合的に見て判断されます )


ちなみに、判断の基準となるのは、「 必要かつ妥当である 」 という点です。逆の言い方をすれば、あなたが必要と判断したからといって、なんでもかんでも請求できるということではないということですね。

このあたりの判断は専門家でなければ難しいと思うので、疑問に思ったことは 弁護士 などに相談してみましょう。


それと、先程も少し触れましたが、請求する際は 領収書 が必要となるので、治療や通院でもらった領収証などは全部保管しておきましょう。

感熱紙の レシート や 領収書 は、時間がたつと文字が薄くなったり消えてしまうこともあるので、月に一回はコピーを取るようにして保存しておくと良いかもしれません。

私の場合は、毎月 加害者側の保険会社へ 治療費 や 通院交通費 などの領収書を郵送するという仕組みだったので、送る前に全てをコピーしてから送るようにしていました。

その他のものについては、とりあえず請求するときまでは溜めておいて、必要に合わせて弁護士に相談するという方法を取りました。


では次に、消極損害について見ていきましょう。


2.消極損害ってなに?


交通事故で怪我をすると、仕事にも影響が出ることがあります。

たとえば、パートやアルバイトをしている方が、骨折で仕事を休まなければならなくなったら、その分の収入が減ってしまいますよね。

このように 事故に遭わなければ、被害者が本来得られたと予測される利益 のことを 消極損害 といいます。

もっとわかりやすく言うと、「 事故によって稼ぐことができなくなったから、本当だったら働いて稼げるはずだった収入についても払ってね 」 という請求のことです。

具体的にどのようなものがあるのかというと、大きく以下の 4 つに分かれます。


  • A. 休業損害 ( 仕事を休んだ分の損害 )
  • B. 後遺障害慰謝料 ( 障害に対する慰謝料 )
  • C. 逸失利益 ( 事故で失った利益 )


といったものがあります。

たとえば、交通事故にあって怪我をして会社を休まなければならなかったら、休業損害 を請求できますし、その怪我が治らずに後遺症として残ってしまったら、後遺障害に対する慰謝料など請求できるということです。

また、被害者が死亡した場合は、その家族などが 逸失利益 を損害として請求することができます。


では、これらについて一つずつ詳しく見ていきましょう。


A.休業損害 ってなに?


交通事故で怪我をすると、治療のために 入院 や 通院 をして仕事を休むことがあります。こうした理由により減ってしまった収入のことを、


休業損害


といいます。

わかりやすく言うと、事故に遭う前にアルバイトで月 20 万円稼いでいた人が、交通事故に遭って 1 ヶ月間 働けなくなったら、その分の収入はありませんよね。この減ってしまった収入分を加害者側に請求して払ってもらえるというものです。

どのように計算するのかというと、給料明細 や 収入証明 をもとに、事故日より過去 3 ヶ月間の給料の平均から計算します。

たとえば、4 月の頭に事故に遭ったら、その年の 1 月 ~ 3 月 の収入をもとに計算するわけですね。

ちなみに、この収入には 各種手当て や 賞与 も含めることが出来ます。また、出世に影響して昇給が遅れたら、その分の減収額についても請求することが可能です。


ただし、どの保険を使うかによって貰える額も変わってきます。全額認められるものもあれば、「 ○ 割りのみ 」 と一部しか受け取れないものもあるので、このあたりもきちんと確認しておきましょう。

また、先程も少し触れましたが、これは 実際に減少した収入に対して支払われるもの なので、もし 休業 していても、収入が減っていなければ 休業損害 を請求することはできません。

たとえば、サラリーマンのような給与所得者は、入院 や 通院 をしても給与がちゃんと支払われて収入が減らない人もいますよね。このような場合は、休業損害 を請求することは出来ないわけです。( 給与が減らないので損害もありませんからね )

でも、有給休暇 を使った場合は請求することはできます。

それと、給料の支給はなかったけど、労災保険から給料の 6 割を貰っていたという場合は、残りの 4 割しか請求する事ができないといった決まりもあります。

つまり、ここからわかることは、受けた損害分しか請求出来ない ということです。ここをきちんと押さえておきましょう。


ちなみに、通勤途中 や 仕事中 に交通事故にあった場合は、労災保険を使う選択肢もありますが、休業損害を 自賠責保険 と 労災保険 の両方からもらうことはできません。詳しくは、




を参考にしてください。


次に、休業損害の計算方法について少し詳しく見ていきましょう。

手順としては、まず 休業期間 を明確にします。いつからいつまでが休業期間として認められるかをハッキリさせるわけです。

どのように判断するのかというと、医師の診断書に 「 休養を要する 」 ということが書かれていたら、その日数は全て 「 休業扱い 」 になります。

つまり、入院した期間はもちろん、退院後の通院でも医師が 「 休まなければならない 」 と判断しているのであれば、休業期間と判断されるということです。

ここからもわかると思いますが、この医師の診断書によって休業期間が確定するので とても重要です。

もし怪我が原因で業務に差支えが出て働けないのであれば、医師に相談してみましょう。そして、可能であれば 「 診断書 」 に書いてもらうようにすると良いかもしれません。


この期間が確定したら、事故に遭う前の 「 3 ヶ月間の収入 」 を出します。

そして、その合計額を 3 ヶ月間の日数で割って、1 日当たりの収入を計算します。( 事業所得者の人は、前年の収入額を 365 日 で割ります。主婦の方は 「 賃金センサス 」 を参考にしてください。) ( 賃金センサスってなに?

こうして出された 1 日当たりの収入に、休業期間を掛けたものが 休業損害 の金額となります。

この休業損害の計算式をまとめると以下のようになりますね。


  • 3 ヶ月分の収入 ÷ 3 ヶ月の日数 = ( 事故前の )1 日あたりの収入
  • 1 日あたりの収入 × ( 医師に認められた )休業日数 = 休業損害の金額


ただし、この休業損害はあなたの職業や怪我の部位・程度によって変わってきます。これらの要素も含めて考慮するので、収入額 や 日数 の求め方が難しくなることも多く、損害額の認定に時間がかかることがあります。

ですから、詳しく知りたい人は専門家にきちんと相談して、あなたケースではどれくらいの損害額になるのかを把握しておくと良いかもしれません。


B.後遺障害慰謝料ってなに?


病院に通院して怪我の治療を続けても、治療ではどうしても治らないものもあります。たとえば、以下のような問題を抱えることがあるわけです。


  • 痛みのある神経症状が残る
  • 腕や足が曲がらない
  • 傷跡が残った
  • 手足を切断した


医師がこれ以上治療しても改善されないと判断した場合は、治療をストップすることになります。これを


症状固定


といいます。

症状固定になると、治療をしても怪我が治らずに障害として残ったという考え方をします。これを


後遺障害


といいます。

この後遺障害に対しては慰謝料を請求できるのですが、これを


後遺障害 慰謝料


と言います。

この 後遺障害慰謝料 は 「 入通院 慰謝料 」 とは別に計算することになります。

わかりやすく言うと、人身事故の場合は怪我で痛い思いをしたことに対する迷惑料として 入通院慰謝料 を請求できますが、後遺障害が残った場合は、それとは別に 後遺障害慰謝料 を請求できるということですね。( 入通院慰謝料 については下で説明します )


ひとくちに後遺障害と言っても、さまざまな階級に分かれています。腕が動かない人と、寝たきりになってしまった人だと、障害の重さが違いますよね。この重さをわかりやすく階級で分けているのですが、これを


等級 ( 1 級 ~ 14 級 )


と言います。ちなみに、これは


  • 自動車損害賠償保障法
  • 労働者災害補償保険法


によって 各等級 に細かく分類されていて、それぞれの具体的な症状が記載されています。

この等級によって支払われる 慰謝料 や 逸失利益 の金額が決まるので、等級を決めるのはとても重要な作業となります。

まずは、あなたがどの等級に該当するかを決めなければならないのですが、この等級を判定して決めるのは あなたではありません。医師でもなければ、保険会社の担当者でもありませんし、弁護士でもありません。

誰が決めると思いますか?


答えは、損害保険料率算出機構 ( 損保料率機構 ) に属する、自賠責損害調査センター調査事務所 が認定します。( 覚えなくても大丈夫です )

以前は 自算会 と呼ばれていたところで、保険会社の OB で構成さています。ここに後遺障害等級認定の申請をして、等級を決めてもらうことになります。


申請手続きをするには、加害者が加入している 自賠責保険会社 を通すことになります。( 個人からの申請は受け付けていません )

もし、加害者が 自賠責保険 に加入していない場合は、この機関を使うことはできません。まずは、加害者が加入している 自賠責保険会社 の確認をしましょう。


次に、医師が発行する 「 後遺障害診断書 」 と、自賠責保険会社にある 「 後遺障害補償請求書 」 に必要事項を記入して提出します。この他に 「 交通事故証明書 」 などが必要になる場合があります。( 交通事故証明書ってなに?

これらの書類を揃えたら、自賠責保険会社 を通して 損害保険料率算出機構 に依頼します。

等級 が決定されるまでの期間はだいたい 1 ~ 2 ヶ月ほどです。連絡が来たら、ここで出された 等級 を基に、加害者に対して損害賠償請求を行います。


ちなみに、一度 等級を認定されると、それを覆すことは困難です。

でも、納得のいかないこともあるかもしれません。この場合は、自賠責保険会社に 異議の申し立て を行います。

しかし、再度審議されても納得いく回答が出なかった場合は、訴訟 によって解決することになります。つまり、後遺障害等級の認定 を 裁判所 にやってもらうわけですね。( 訴訟での裁判の流れと費用は?

先ほど、加害者が 自賠責保険 に加入していないときは、損害保険料率算出機構 を使えないと書きましたが、この場合も 裁判所 が認定します。


ちなみに、後遺障害の時効は、医師から 「 後遺障害診断書 」 が発行された時点より 2 年 です。( 発行された日を 症状固定日 と言います )

このあたりも考慮して進めていくようにしましょう。


ここまでが 後遺障害慰謝料 についてです。では次に、逸失利益 について見ていきましょう。


C.逸失利益ってなに?


交通事故に遭うと、後遺障害を負ったり、場合によっては死亡してしまうこともあります。

そうなると、これまでのように仕事ができなくなったり、家族を養うことができなくなることもあります。

このように、事故の怪我や死亡が原因で 被害者が本来得られるはずだった将来収入の減少分についての損害 のことを逸失利益と言います。

もっとわかりやすく言うと、元気に仕事をしていた 30 代の男性が事故にあったことで寝たきりになり、これまでのように仕事ができなくなったら、生涯得られるはずであった収入も失うことになりますよね。この分についても加害者に請求できるということです。

この逸失利益の計算方法は以下の計算式で求められますが、こちらも同様に専門家へ相談した方が良いと思います。


【 後遺障害の場合 】
  • 事故前の収入(※1) × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対する係数(※2)
  • (※1)主婦や幼児、高齢者など、収入を証明できない人については、賃金センサスにより求める。
  • (※2)ライプニッツ係数またはホフマン係数


【 死亡の場合 】
  • 事故前の収入(※3) × (生活費控除率) × 就労可能年数に対する係数(※4)
  • (※3)主婦や幼児、高齢者など、収入を証明できない人については、賃金センサスにより求める。
  • (※4)ライプニッツ係数またはホフマン係数


ここまでが消極損害として請求できる、「 A. 休業損害 」 「 B. 後遺障害慰謝料 」 「 C. 逸失利益 」 についてです。

では次に、三つ目 の 慰謝料 について見ていきましょう。


3.慰謝料ってなに?


慰謝料とは、交通事故による怪我で 被害者が受けた 精神的・肉体的 苦痛に対する補償 のことです。

あるいは被害者が死亡したことによって、被害者の遺族が受けた 精神的・肉体的 苦痛に対する補償 のことを指します。( 詳しくは下で説明します )


4.物損に対しての慰謝料は取れるの?


物損の慰謝料については




でまとめましたので、こちらを参考にしてください。


慰謝料は どいう基準で決められるの?


慰謝料について少し詳しく説明します。

交通事故における慰謝料を決めるには、以下の 3 つの基準があることを把握しておかなければなりません。


  1. 自賠責基準 ( 自賠責保険による慰謝料基準 )
  2. 任意保険基準 ( 任意保険による慰謝料基準 )
  3. 弁護士基準 ( 裁判をした場合の基準 )


この 3 つの基準の違いは、誰が示談交渉をしたかによって賠償金の額が変わってくるという点です。大事なところなので一つずつ詳しく説明します。


1.自賠責基準ってなに?


簡単に説明すると、あなたが自身が、加害者側の保険会社と交渉した際に提示される賠償額の基準 のことです。上記 3 つ の基準の中で、補償額が一番少ないのが特徴です。

なぜなら、これは国が被害者救済を目的に定めた保険制度なので、最低限の補償しかされないからです。

この基準が使われるケースは、あなたの加入している保険会社の担当者が、あなたの代わりに加害者側と交渉できない場合に使われます。 ( もちろん弁護士に依頼をすれば状況は変わってきます )

ちなみに、この基準は 自動車損害賠償保障法 ( 自賠法 ) という法律をもとに定められた 自賠責保険 の支払基準のことで、正式には 自動車損害賠償責任保険 支払基準 といいます。


2.任意保険基準ってなに?


1 の自賠責保険基準では、あなたが自分で交渉したのに対し、任意保険基準では あなたの代わりに、保険会社の担当者同士が交渉をして 決定される賠償額の基準 のことです。

主に、保険会社が任意保険の支払いの際に利用します。

以前は、業界統一基準 があったようですが、現在は各保険会社独自の基準 を用いているようです。とは言っても、企業間で大差はないようです。

ちなみに、保険会社が提示してくる過失割合は、保険会社が加害者から事故の状況を聞いて 「 判例タイムズ 」 に基づき提示してきます。

納得の行かない金額を提示されることもありますが、一方的なものなので鵜呑みにする必要はありません。


3.弁護士基準ってなに?


任意保険基準では あなたの代わりに保険会社の担当者が交渉してくれましたが、弁護士基準では あなたの代わりに 弁護士が交渉をすることで決まる賠償額の基準 のことです。

3 つの基準の中で、これが一番金額が高い基準になります。なぜなら、裁判を前提に話し合いを行うためです。

いろいろな呼ばれ方をしていて、


  • 裁判基準
  • 弁護士会基準
  • 日弁連基準


などと言われたりもしますね。

この基準については、裁判になった場合のみ認められると言われる事がありますが、別に裁判をしなくても請求出来ますし、弁護士が間に入って交渉しただけで認められることもあります。

なぜなら、毎年膨大な数の交通事故が発生し、その数だけ争いが起こるわけですが、こうした損害賠償訴訟に迅速に対応できるよう、損害賠償の内容を 定型化 ・ 定額化 することを目的に作られた基準だからです。

わかりやすく言うと、日本社会に車が普及してそれと同時に交通事故も増えてきたけど、みんながもめて裁判を起こしていたら大変なことになるので、少しでも早く解決できるように同じような事故には過去の判例を基に判断して話し合えるようにしたわけです。

弁護士に依頼するということは、裁判を前提に話し合うと言えるわけですから、


「 裁判をするとこんな感じになりますよ。実際に争うとこれくらい費用が掛かりますよ。だったら、この費用を賠償金として支払った方が良いのでは? 」


という感じで交渉をすることになります。あらかじめ結果が予測できているわけですから、加害者側も


「 それなら、裁判をしないでこの金額を払います 」


となるケースが多くなるということですね。

こうした費用を含めて考えることになるので、金額は一番高くなるというわけです。

そのため、裁判で闘う力のある 弁護士 が間に入るだけで、裁判をしなくても この基準で示談できることがあります。( 私の場合はこのケースでした )

この基準には日弁連交通事故相談センターの


  • 交通事故 損害額算定基準
  • 損害賠償額算定基準 ( 赤本 )


が全国的に用いられているのですが、私も弁護士に相談しに行ったら、この赤本で説明されました。


ちなみに、「 1. 自賠責基準 」 と 「 3. 弁護士基準 」 の金額の差を、一番軽いとされる 後遺障害 14 級 で比較すると以下のようになります。


  • 自賠責基準 : 320,000 円
  • 裁判基準 : 1,100,000 円


実際には これだけ差があるのですが、知識がないと提示された金額を鵜呑みにして、自賠責基準 の金額で判を押してしまうことになります。

これだけ賠償金額が変わってくることがわかると、保険会社に 「 裁判基準 」 を主張したくなるかもしれません。

でも、どんなに勉強して、どんなに 法的攻防能力 を付けても 「 弁護士に依頼します 」 と言わない限り、加害者側の保険会社は裁判基準にはしてくれません。

なぜだと思います?


これは 裁判などの強制力を伴う手続きを取らない限り、法的に正しい賠償を任意に行う義務は保険会社にはないから です。

ですから、弁護士 に委任して 裁判解決を前提とした対応 を取って、はじめて保険会社も 「 裁判基準 」 での金額を考慮してくれます。

別の言い方をすれば、裁判を前提としない限り、相手は 裁判基準 は考慮してくれません。( 保険会社の担当者同士の交渉でも 任意保険基準 ですし )

そのため、正当な賠償額の話し合いを行うためには、 弁護士 に委任することが必要不可欠であることがわかると思います。

ちなみに、裁判と言っても 「 裁判を前提とする 」 のであって、実際に裁判をすることは多くないようです。

先ほど説明したような交渉を行うことで、ほとんど場合は話がまとまって終わるようです。なので、「 裁判を前提とする 」 というのがポイントになります。

実際に私も弁護士に依頼をしましたが、裁判をすることなくスムーズに和解が成立しました。事故に巻き込まれたときは、いろいろと調べて自分で対処しようと試みましたが、やはり一人で悩むよりも、まずは 弁護士 に一度相談されるのがいいと思います。

特に、治療しても 「 しびれ 」 や 「 痛み 」 などが取れないという人や、後遺障害 が残るかもしれないという人は尚更です。

一度、示談が成立してしまうと、後で痛みが出ても請求することはできません。ですので、まずは弁護士に相談をして、今後どのように進めるべきかを専門家の意見を聞いたうえで考慮することが大切だと思います。


ただし、ここで注意しなければならないのは、一口に弁護士と言っても、さまざまな専門分野に分かれているという点です。

たとえば、あなたの目が充血して病院で診てもらいたいのであれば、内科と眼科のどちらに行くでしょう。

恐らく多くの人は眼科と答えると思います。なぜなら、眼に異常があるわけですから、同じ医者でも内科医より眼科医に診てもらう方が最適だからです。

同様に、弁護士も専門分野が分かれていることが多く見られます。交通事故に関する法律相談をするのであれば、交通事故問題の解決に詳しい弁護士へ相談した方が最適なアドバイスを得やすくなります。

でも、どのように探したらいいのか わからない方も多いかもしれません。これについては、




でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。

また、加入している保険に 弁護士費用特約 が付いていると、弁護士費用を保険会社に負担してもらえることがあります。弁護士費用特約については、




を参照してください。


基準が決まっているのに、なぜ示談でもめるの?


昔は、交通事故で 裁判 を起こしてもなかなか結論が出なかったそうです。なぜなら、もし保険会社が


「 5,000万円 支払います 」


と言っても、被害者が


「 1 億円もらっても納得いかない 怒 」


となれば らちがあかないからです。。

そこで、東京・大阪・名古屋 の裁判所が損害額を定額化し、訴訟に迅速に対処出来るよう改善したわけです。

その代表的な算定基準が、前述で説明した日本弁護士会の 交通事故 損害額算定基準 です。


本来であれば、被害者は怪我をさせられたわけですから、一番高い 弁護士基準 を請求したくなると思います。( 痛い思いをして、生活や仕事にも影響してしまいますからね )

しかし、保険会社が示談交渉で提示してくる金額は、「 自社の算定基準 」 や 「 自賠責保険の算定基準 」 に従って出してきます。つまり、できるだけ低い金額を提示してくるわけです。( ビジネスですからね )

多くの場合は、これが原因で示談交渉でもめることになります。

この示談については、




でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。


どの基準が優先されるの?


上の 3 つ の基準の中で最も優先されるのは、弁護士基準 です。次に 任意保険基準、そして最後に 自賠責基準 の順となります。


慰謝料の計算方法は?


慰謝料は定額化されています。自賠責基準 ( 自賠責保険による基準 ) では以下のように定められています。


怪我の場合 ( 自賠責保険 )


「 自賠責保険による慰謝料基準 」 は、現在 1 日 4,200 円 ですが、実治療日数 ( 実際に治療に通った日数 ) の 2 倍と、総治療期間 ( 治療にかかったトータルの日数 ) の少ない方を使います。

たとえば、実治療日数 15 日、総治療期間 60 日の場合だと、


  • 4,200 円 × 15 日 × 2 倍 = 126,000 円
  • 4,200 円 × 60 日 = 252,000 円
  • 126,000 円 < 252,000 円


となり、少ない方の 126,000 円 となります。


後遺障害の場合


後遺障害の等級によって変わります。最高で 1600 万円ですね。 ( 第 1 級で被扶養者がいない場合 )


死亡の場合


  • 本人 : 350 万円
  • 遺族 : 請求権者(被害者の父母、配偶者と子供)の人数により異なります。


請求者 1 名で 550 万円、2 名で 650 万円、3 名以上で 750 万円。被害者に被扶養者がいる場合は 200 万円が加算されます。

※制度が変われば数字も変わるかもしれません。詳しくは専門家に相談されることをお勧めします。


加害者に対して請求できるものについては こんな感じです。

長かったですが、お疲れ様でした。

精神的にも肉体的にも痛い思いをして苦しんだわけですから、しっかり請求して払ってもらいましょう。

解決するまでは辛くて心が折れそうになることが何度もあるかもしれませんが、諦めずに前に進み続ければ必ず解決できると思います。

一方、加害者側になった場合は、これらの責任を負わなければならなくなります。万一の事故に備えて、自動車保険についてもポイントを押さえて選んでおくと安心だと思います。これについては、




でまとめましたので、こちらを参考にしてください。


交通事故で賢く対処するために



保険について理解する



事故車の対処について



専門家へ相談する前に






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