初心者の外付けHDD入門!RAIDの種類の違いと特徴は?


『 RAID の種類と特徴を把握してみよう 』


外付けハードディスク ( HDD ) には いろいろな 種類 がありますが、その中の一つに


RAID ( レイド )


と呼ばれる技術が用いられているものがあります。

どんな技術なのかというと、複数の HDD を束にして 大容量化 や 高速化 を図ったり、HDD が故障した時でもデータを失うことなく取り出せるようにするものです。

詳しくは前回の




で わかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。


RAID は いくつかの レベル に分かれているのですが、この違いによって使い方も変わってきます。

でも、どのように違いを判断すればいいのかわからない方も多いと思います。 ← 私


そこで今回は、RAID の種類についてまとめました。

ちょっと難しいかもしれませんが、頭の片隅に入れておくとHDD を選ぶ際に役立つと思います。( 最終更新:2016年9月 )


RAID の種類は?


一口に RAID 技術 と言っても いくつかの種類があって、性質 や 機能 の違いによって区別されています。

具体的に言うと、種類によって


高速性 や 耐障害性 に差がある


わけですね。

「 RAID 0 」 とか 「 RAID 1 」 といった名前が付けられているのですが、これを総じて


RAID レベル


といいます。

このレベルを確認することで、HDD を束にしたときに何ができるのかがわかるわけです。

この レベル が以下の 7つ です。( ) 内は HDD をいくつ束にできるかを表します。


  • RAID 0 ( 最低 2 台 )
  • RAID 1 ( 最低 2 台 )
  • RAID 2 ( 最低 5 台 )
  • RAID 3 ( 最低 3 台 )
  • RAID 4 ( 最低 3 台 )
  • RAID 5 ( 最低 3 台 )
  • RAID 6 ( 最低 4 台 )


数字が大きくなれば 高性能 と思われるかもしれませんが、そういうわけでもありません。

それぞれ 長所 と 短所 があります。

まずはベースとなる以下の 3 つ を理解しておく必要があります。


  • RAID 0
  • RAID 1
  • RAID 5


それでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。


RAID 0ってなに?


RAID 0 ( レイド・ゼロ ) とは、


データの読み書きを 高速化 する RAID 技術


のことです。

たとえば、3 ドライブ搭載 の 外付けHDD に写真などの 「 画像データ 1 」 を保存するとします。

そしてこのとき、「 RAID 0 モード 」 を使って保存するとしましょう。


すると、この 画像データ は細かくバラバラにされて保存されることになるのですが、これを 「 A ~ J 」 までの 10個 に砕かれたと仮定します。

もっとわかりやすく言うと、


  • ハードディスク = 倉庫
  • 画像データ = 自動車
  • A ~ J = エンジン、ガラス、タイヤ、車体...などの部品


と例えるとイメージしやすいと思います。


自動車 を倉庫にしまうときは A ~ J の 10個のパーツにばらされて格納することになるわけです。

逆に、自動車 を取り出すときは、各倉庫から順番に部品を取り出して組み立てて、自動車として使えるようにします。

ちなみに、データをバラバラにしたり、各倉庫に振り分けたりするなど、データを管理する役割をしている部品のことを


RAID コントローラ ( ディスクアレイ コントローラ )


と言います。覚えておくと良いかもしれません。


話を元に戻すと、データもこれと同じ考え方で、ハードディスクに書き込むときは 画像データ を細かくして保存します。

そして、画像データ をハードディスクから取り出すときは、バラバラになった データを集めて組み立て、画像ファイルとしてディスプレイに表示できるようにするわけです。

このように考えると イメージ しやすいと思います。


重要なのは データの読み書きの方法なのですが、RAID 0 でデータの読み書きをする場合は、


複数の ディスク に同時並行


で行います。

わかりやすく言うと、ここでの 外付け HDD は 3 ドライブ搭載 なので 3つ の倉庫に順番に部品を入れていくわけです。

たとえば、こんな感じです。


  • 倉庫 1 → (A) (D) ...
  • 倉庫 2 → (B) (E) ...
  • 倉庫 3 → (C) (F) ...


といった感じですね。

倉庫には入口が 一つ しかないので、もし 一つ の倉庫で A ~ J までの部品を出し入れするとなると時間がかかってしまいます。

でも、3 つ の倉庫に 同時並行 で部品を出し入れできるとなると作業が速くなり、理論上は 1/3 のスピードでできるようになります。

つまり、


データへの アクセス速度 を 高速化


できるようになるわけですね。これが RAID 0 の特徴です。


ここではハードディスクは 3つ でしたが、数を増やせば増やすほど データ転送速度は上がります。

つまり、データ転送速度が 高性能 になるというわけです。

ちなみに、RAID 0 のことを


ストライピング ( striping )


とも言います。

ストライピングとは、1 つ のデータを 2 つ 以上のハードディスクに分けて同時に書き込むことです。

これは RAID の 高速化技術 の基本となるものなので覚えておきましょう。


また、高速化 以外にもメリットがあります。

複数のハードディスクを束ねて 1 つ のハードディスクとして使うので、容量もその分大きくなります。

たとえば、1 TB の HDD を 3 つ 搭載していたら 3 TB として使えるわけです。

ディスク容量は 100 % 使えるので無駄もありません。


ただし、それぞれの ディスク容量 が異なると100 % 使うことはできません。この場合は、少ない容量の HDD に基準を合わせることになります。

たとえば、1 TB が 2 台 で、500 GB が 1 台 の計 3 台 が搭載されているものだと、それぞれ 500 GB までしか使えません。

つまり、500 GB × 3 で 1.5 TB の容量しか使えない計算となり無駄が出てしまいます。

そのため、HDD は全て同じ容量のものをそろえることが望ましいと言えます。


ちなみに、無駄のない書き込みをする モード を


JBOD ( ジェイボド )


と言います。

JBOD については 『 JBODってなに? 』 でまとめました。


一方、デメリット もあります。

たとえば、3 つ の HDD を 1 つ の HDD として使っているので、どれか 一つ が壊れると全ての HDD へのアクセスができなくなります。

つまり、


耐障害性が低い


わけです。

そのため、耐障害性 を補うために、RAID 0 の技術 と RAID 1 の技術を組み合わせた


RAID 01 や RAID 10


といった方法を使います。( これについては、次回の 「 組み合わせRAIDってなに? 」 でまとめます。)


では次に、RAID 1 について見ていきましょう。


RAID 1 ってなに?


RAID 1 ( レイド・ワン / レイド・イチ ) とは、


耐障害性 を重視した RAID 技術


のことです。

どのような方法が採られているかというと、


同じデータを 複数のドライブに書き込む


という方法です。


たとえば、3 ドライブ搭載 の 外付け HDD に 「 画像データ 1 」 を RAID 1 の技術を使って保存するとしましょう。

わかりやすく、先ほどの 倉庫 と 自動車 を例にとって説明すると、


  • 倉庫 1 → (A)(B)(C)(D)(E)...
  • 倉庫 2 → (A)(B)(C)(D)(E)...
  • 倉庫 3 → (A)(B)(C)(D)(E)...


という 書き込み方 になります。

つまり、3 つ の倉庫に全く同じパーツを 複製 して格納していくわけです。

複数のハードディスクに 同じデータ を書き込むことで、どれか故障しても、別のハードディスクが動いていればデータに アクセス することが可能となります。

別の言い方をすれば、RAID 1 の技術では万が一の故障に備えてデータを複製して備えているわけですね。

このことから RAID 1 は


冗長性 があり、耐障害性 が高い


と言えます。

冗長性 とはよく出てくる言葉なので覚えておきたいのですが、簡単に言うと


余分な ハードディスク などを追加することで壊れにくくしたもの


と考えると変わりやすいと思います。

ここでは コピー用 のハードディスクが 2 台 余分にあるので冗長性が高いと言えます。つまり、「 壊れにくい仕組みだよ 」 ということですね。

逆に、RAID 0 では 1 台 が壊れたら全てがが使えなくなるので、冗長性がないと言えます。言い換えると、「 壊れにくい仕組みにはなってないよ 」 ということです。

ちなみに、RAID 1 ではデータのコピー処理を同時に行って保存するので、RAID 1 のことを


ミラーリング ( Mirroring )


とも言います。よく見かけるので覚えておくと良いかもしれません。


ただし、こちらも デメリット があります。

2 つ のハードディスクに同じ内容を書き込むので、容量は半分になってしまいます。


たとえば、1 TB のハードディスクを 2 台 入れていたとしても、どちらも同じ内容が書き込まれてしまうので、1 TB 分しか使えません。

つまり、


大容量の 単一ディスクを作れない


といった弱点があるわけです。

また、RAID 0 と同様に、各ハードディスクの容量が異なると少ない方の HDD の容量分しか保存できません。

そのため、1 TB 分の容量が必要であれば、2 TB 分のハードディスクを用意しなければならなくなります。


さらに、データ転送速度 も遅くなります。

これは 3つの倉庫に自動車 3台分のパーツを入れるのと同じことなので、倉庫 1つに自動車 1台分を入れる作業に比べると時間がかかってしまいます。

つまり、作業量が増えて忙しくなり、システムに負荷がかかってしまうので、データ処理速度の性能が落ちてしまうわけですね。

ちなみに、このとき ディスクアレイ にかかる負荷のことを


オーバーヘッド


と言います。

ただし、2 つ の倉庫を使って 同時並行でデータの書き込みや読み出しを行うことも可能なので、その分 性能を高めることもできます。

とは言っても、RAID 0 の性能と比較するとどうしても劣ってしまいます。これも RAID 1 の持つ弱点です。


ここまで説明してきた RAID 0 と RAID 1 が理解できたら、実際に製品を見てもどのようなものなのかが何となく理解できると思います。ちなみに、ミラーリングに対応した製品には以下のようなものがあります。




NAS について知りたい方は、




を参考にしてください。


ここまで理解できたら、もう一歩先に進んでみましょう。

もし RAID 0 と RAID 1 の両方のメリットを活かすことができたら、高速 で 耐障害性 の高いものができるはずです。

そこで、RAID 5 について見ていきましょう。


RAID 5 ってなに?


RAID 5 ( レイド・ファイブ / レイド・ゴ ) とは、


高速化 と 耐障害性 を両立させ、さらに 大容量化 までも可能にした RAID 技術


のことです。

まず、RAID 0 のように 分割書き込み ができるのでデータ処理の 高速化 が可能で、構成台数が増えれば増えるほど速度の向上が期待できます。

そして、


パリティ


と呼ばれる 冗長コード を 計算 & 生成 して 各ハードディスク に書き込むことで、1 台 のハードディスクが壊れてもデータを修復することが可能な仕組みになっています。

たとえば、3 ドライブ搭載 の 外付け HDD に 「 画像データ 1 」 を RAID 5 の技術を使って保存するとしましょう。

すると、


  • 倉庫 1 → ( A )( C )(Pari-EF)...
  • 倉庫 2 → ( B )(Pari-CD)( E )...
  • 倉庫 3 → (Pari-AB)( D )( F )...


といった感じで 書き込みが行われます。

そのため、もし倉庫が 一つ壊れたとしても、残り 二つ の倉庫の パリティ を使えばデータを修復することが可能になります。

つまり、


データが欠けても 残りのディスクを演算によって算出することで完全なデータを取り出すことができる


というわけです。

この技術のことを


RAID 5


と言い、別名


パリティ RAID とか 分散データ・ガーディング


とも言います。


ここで ちょっと気付いた方もいるかもしれませんが、パリティ を保存するのは RAID 1 ( ミラーリング ) に少し似ています。

つまり、壊れにくくするために コピー をとるわけですから、その分 容量を多く消費してしまいますよね。

でも、RAID 1 と違う点は、どんなにたくさんパリティを作っても、その合計は ディスク 1 台 分までにしかならないという点です。それ以上は増えません。


なので、ディスク台数が増えれば増えるほど容量の効率性は向上します。

つまり、


大容量化 が可能


というわけです。


ただし、RAID 5 にも デメリット があって、故障が許されるのは 1 台 のディスクまでです。

同時に 2 台 以上のディスクが故障すると回復は不可能になります。


これを避けるには 破損したドライブはできるだけ早く交換して リビルド を行い、システム を正常な状態に戻して回復させておく必要があります。ちなみに、


リビルド ( Rebuild )


とは、故障したハードディスクを新しいものと交換して、内容も元通りに 修復 する作業のことを言います。


この他にも、データを書き込む際に パリティ を生成して書き込まなければならないので、負荷 ( オーバーヘッド ) が大きいという デメリット もあります。

つまり、読み出しは速いけど、書き込みはそんなに速くはないと言えるわけです。

このRAID5まで理解できたら、実際に製品を見てもどのようなものなのかが何となく理解できると思います。ちなみに、RAID 5 に対応した製品には以下のようなものがあります。




どのような機能なのかがわかると、選べる幅も広がるのを実感できると思います。


ここまで RAID 0 / 1 / 5 の 3 つ を説明しました。

RAID の基本となる技術なのですが、これらの技術を組み合わせて使うものも存在します。

これについても理解しておくと、さらにわかりやすくなると思いますよ。

そこで次回は、『 組み合わせ RAID ってなに? 』 についてまとめます。


RAID を理解してみよう


  1. RAID ってなに? ( 基本編 )
  2. RAID の種類の違いと特徴は?
  3. RAID ってなに? ( 応用編 )

外付け HDD を賢く選んでみよう


  1. 外付けハードディスク ってなに?
  2. 外付けハードディスク の選び方は?




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